1657.基本戦略の変更(1)
2 基本戦略の変更
アラミス事業部の建て直し策の決めてはなにか、それは基本戦略の見直しにあると
判断しました。長い間「メンズ・フラグランスの売上拡大」がマーケティング・プラ
ンの基本戦略として取り上げられてきましたが、これが間違った戦略にも関わらず変
更する勇気がなかったと思いました。日本ではスキンケア市場が導入期から成長期に
入ろうとしていたにもかかわらず、フラグランスを重視する戦略が本社から与えられ
ていたのでしょう。しかし、誰もそれに反対する勇気が無かったのでしょう。この背
景には、本国のアメリカ市場における戦略をそのまま日本国内に持ち込もうとする本
社の意向があったからです。フラグランス市場は日本では未熟なマーケットだからこ
そ、先取りすれば成功すると判断していたと思います。
実は、アメリカ本社は日本の事情など分からないのです。むしろ、分からないとい
うよりも、分かろうとしないというのが事実でしょう。これはメンズだけでなく女性
フラグランスでも同じことが言えます。背景には、日本人の文化や習慣などが起因し
ています。欧米市場ではフラグランスが消費者の関心事でフラグランスを制覇するブ
ランドが化粧品を制覇するとまでいわれていますが、日本市場ではフラグランスの関
心事が低く、使用されてもマイルドな香が好まれています。欧米の強烈な香は日本で
はセクシーではありません。
常に上から目線で日本人を見る傾向があるのではないでしょうか。この種の問題は
特に珍しいことではなく、国内のスタッフも本社の意向に逆らうことをしません。真
実から目を背けていてはビジネスの成功はありえません。
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