15.共有すべき価値観

競争社会の世の中では、競争を避けようとしてもそれは不可避で、残念なことですが互いに優劣が決まる社会です。化粧品市場も例外ではなく、逆にもっとも厳しい競争が行われているのが百貨店の化粧品コーナーだといえるでしょう。
売上が伸びているブランドもあり、苦戦しているブランドもありますが、苦戦にはそれなりの原因が必ずあります。苦戦している理由が明確になれば立て直しもさほど難しくはありません。
製品開発、広告、販売促進、価格政策など多種多様な原因が考えられますが、特に一番難しいのが人間関係の問題です。
化粧品の販売はお客様を幸せにする仕事ですから、社内でイガミあっていたらよい仕事ができるはずがありません。当然のことですが、競争にも勝てません。まずなによりも人間として相互に尊敬しあい、よいチームワークを築くことが先決問題ですが、それにはどうすればスムーズな人間関係を築くことができるでしょうか。
近年、特に人間は各自が異なる価値観を有しているので接点を見出すことは簡単ではありません。だからといって放置しておいてはチーム・ワークが築くことができません。公私混同する必要はありませんが、公的な面、つまり仕事に関しては相互で価値観の共有をすべきです。
 
貴方がビューティアドバイザーとして店頭で仕事をしているとしましょう。貴方がこの仕事を選択した理由があるはずです。
給料が高い、ブランドが有名だから、イメージが良いからなどいろいろ考えられますが、それだけでは十分ではありません。
言葉で表現しないでしょうが、きっとブランドの背景にある哲学に興味を持ち賛同したからに違いありません。
もし、考えていなかったならば、ブランド哲学を再考するよい機会だと思います。
 
広辞苑で「価値観」を引くと「個人もしくは集団が世界の中の事象に対して下す価値判断の総体」とありますが、自分なりに解釈すると「価値観とは何が大事で何が大事ではないかという判断基準」であって、それは善悪の問題ではなく、個人的な判断基準の問題だと思います。「価値観」は育った家庭環境や交友関係、そして影響を受けた書物や人物などによって形成されるので個々の価値観は異なって当たり前です。しかし、「同じ釜の飯を食う」ではありませんが、一緒に仕事をする仲間同志は仕事に対する価値観については共有していなければなりません。もし異なっていることがわかれば放置せずに率直に話合い、共有できる価値観を相互に見出すことが必要です。
 
会社に入ると会社は社員に期待する価値観を押し付けるようになります。もし、その価値観を受け入れることができなければ退職するしかありません。
それを避けるためには、入社時、企業理念や事業内容などを入念に調べて、会社の価値観に賛同できるか確認しておくことが必要です。

「私にとって仕事とは〇〇です」この〇〇にどのような語句をいれるでしょうか。
この〇〇が貴方の仕事に対する価値観です。ある人は「お金」、ある人は「退屈な時間」を入れるかもしれませんが、できうることならば「自己成長の場」と入れて欲しいと思います。なぜならばそれが社員の皆さんと共有したい価値観だからです。
価値観を明確にせずに私たちは毎日生活していますが、時々自問自答することが大切です。敢えて確認しなくても日々の仕事には支障がありません。しかし、長い期間を通して放置しておくと、後で後悔する話をたくさん聞いています。

ちなみに次の質問に皆さん自身で考えてみてください。
 
私にとって、同僚とは〇〇です。
私にとって、子供とは〇〇です。
私にとって、親友とは〇〇です。
私にとって、両親とは〇〇です。
私にとって、兄弟とは〇〇です。
私にとって、楽しみとは〇〇です。
私にとって、喜びとは〇〇です。
私にとって、悲しみとは〇〇です。
私にとって、挑戦とは〇〇です。
私にとって、お金とは〇〇です。
私にとって、ゲームとは〇〇です。
私にとって、ファッションとは〇〇です。
 
〇〇に挿入するのが貴方の価値観です。
会社の人達とできるだけ多くの共通価値観を見いだすことができれば、その会社は貴方の働きやすい環境だといえます。
 

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