56.Is it Estee Lauder?

「プレステージ」に類似している語句に「プレミアム」「高級」などがありますが「プレステージ」を英和辞書で引くと「名声、威信、異性、威厳」とあります。さて、ある対象物を見たとき、それがプレステージであるかは非常に難しい判断になります。判断には主観的な色合いが強く、ある人にはプレステージだが、他の人には全くプレステージではないことがあるからです。その原因は「プレステージらしさ」の基準が統一されていないからです。
そこで、逆説的に考えたらどうかと考えました。プレステージにはほど遠い低俗かどうかは、誰にでも判断できるはずです。それができれば、反対に位置する「プレステージらしさ」がわかるようになると考えました。
例えば、「あの人は信頼できる人間だと思いますか」この質問に対して適正に判断することは難しいが、「あの人は信頼できない人間ですか」と問われれば、意外なことだが、容易に判断が下すことができるはずです。つまり、低俗な人間を見識できる眼力を養うことによって、究極的に「信頼できる人間」を判断できるようになります。
テレビ番組「なんでも鑑定団」が人気を呼んでいますが、アンチークの真贋(しんがん)を専門家が登場し査定しています。その判断は専門家だからできるのであって、素人判断は危険です。事実、出品作品の半分以上が偽物と評価されています。そこで私たちは本物かどうかの判断は専門家に任せて、素人としては「偽物を見識できる」ようになることです。これができればやがて本物を判断できるようになるはずです。
エスティローダーでは、事前に「Is it Estee Lauder?」を確認することが行動規範でした。しかし新人に「それはエスティローダーらしいですか?」と尋ねても「Yes, or No」を判断することができませんが、「らしくない」が見識できる眼力を養えば「らしさ」が判断できるようになります。

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