71. 自己流のマーケティング定義

第三章 コスメ・マーケティング
プライドがなくなり逆にすっきりした気持ちになったのも事実でした。その後、当然のことですが、江畑部員には当初依頼したパッケージデザインを訂正しましたが、しばらくして別件で彼に会いにいくと、彼から「富田取締役から、今後は山口の言うことを聞いてやれ」と指示をいただいたと教えられました。その言葉を聞いて気持ちが熱くなったことは言うまでもありません。救われたと思いました。相手を怒ることは誰でもエネルギーと神経を使い疲れることです。本来は感情をださずに冷ややかに接していればすむことですが、富田取締役は私が将来物になりそうだと評価したから怒っていただいたと思いました。まさに感謝、感謝の気持ちで一杯になりました。
マーケティングの仕事は人間関係が重要で、ブレインの「やる気」を引き出すことが仕事だと痛感しました。この経験がその後の社会人としての人生に大いに役に立ったことは言うまでもありません。ちなみに、江畑部員の上司がタレントで活躍している伊集院光の父君の田中たかしさんで、ずいぶんお世話になりました。
話が飛びますが、50才になり、仕事も順調に進み大勢の社員を動かすポジションになり、過去の経験をもう一度マーケティング論の視点から見直しするようになりました。「マーケティングとはなにか」機会あるごとに、自問自答してきましたが、最終的にたどりついたのが「マーケティングは相手の立場に立って考え、そして行動すること」でした。相手の立場に立って考えること、これは誰でも努力すれば出来るようになりますが、「行動、アクション」を伴わなければ意味がありません。

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