107. 発想を転換していれば原発事故は防げたかも

発想の転換は消費財だけでなく公共サービスなどについてもいえます。電力を例にとると、東京電力、関西電力などは電力を販売する企業だが、地域内の独占企業として恩典を享受していました。(注:2017年時点では、電力は既に自由化されており、ガスも4月より自由化になります)この恩典のために3.11原発事故が引き起ったと思っています。その理由の一つは、独占企業であるために切磋琢磨の努力を怠って「殿様商売」をしてきたこと。もう一つは、それと関連しているのだが、社会の流れを無視した経営をしてきたからです。消費者ビジネスが業種から業態に変化しているにも関わらず、それを他人事のように横目でみてきたからです。業態へ発想の転換をしていたら事故は避け得たかもしれません。
電力会社は何を売ろうとしているのでしょうか。当然、電気を販売している会社、これは間違いのないところです。電気があるから電話ができるし、電気があるからテレビが見れたり暗い中でも本を読むことができます。すべて電気のお蔭で私たちの生活が成り立っています。しかし、先見の明があれば、電気を販売する会社ではなく「電気を通して、電気のお蔭で○○ができる」、その○○の部分を提供している会社、そんな発想ができていれば原発被害は防げたはずです。例えば、〇〇の部分に、電気を通して「人との良きご縁」「なごやかな雰囲気」「良きコミュニケーション」「暖かい家庭的モード」などを提供するという発想ができていれば企業経営も随分変わっていたはずです。「相手の立場に立って考え、そして行動する」会社として、消費者の立場に立った経営ができたはずです。

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