553.誰がテレビを殺すのか、フジテレビ初の赤字転落、週刊ダイヤモンド、2015.1114 (2)
業界では、番組に対して提供をする「タイム広告」が埋まらなかった場合、単発の「スポット広告」として売りさばいたり、自社の番組宣伝を入れて埋め合わせたりしている。それでも足りない場合は、今後の取引関係を考えて、広告主からCMの素材だけをもらって、タダで流すといった悲惨なケースもあるという。フジの場合、それ以前から買い切り枠の赤字が散見されたものの、代理店側は長年の取引関係を踏まえ、必死になって支えてきた。一方で、視聴率の低下に歯止めがかからず、広告主から見限られるような状況に、代理店側としてもこれ以上赤字を被るようなことはできないと、業を煮やしたというのが冒頭の事例だ。折しも9月は、10月の番組改編を控えて、現場が必死になって新番組の制作にあたっている時期だ。一部は初回の収録を終えて、これからという時期での「通告」だっただけに、フジに衝撃が走ったのも無理はない。しかも、買い切りを断念したのが、10月改編の目玉となる日曜日のゴールデン帯の番組だったことも痛手だった。
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