1546.オリエンテーション(1)

5. オリエンテーション

事業部長に昇格した時の話ですから、30年以上の前の話になりますが、営業会議の

議題のひとつがビューティアドバイザーの人事異動でした。大阪並びに岡山の大型百

貨店のチーフが退職することになり、サブチーフが代行に昇格する打ち合わせでした

が、席上驚いたことに営業責任者がこのようなことを言いだしました。「この度、大

阪の梅田阪急百貨店のチーフが会社を辞めることになり、ついては現在のサブチーフ

をとりあえずチーフ代行として昇格させたい」この提案を聞いてなにかおかしい、間

違っていると感じたのです。それは「させたい」ではなく「していただきたい」との

表現ではないか。確かに、チーフになれば手当も上がり、主要会議の常時メンバーと

して出席でき勉強する機会も多くなりますが、それだけ責任も重くなります。なによ

りも管理職としての責務が追加になり、果たして当人が受け入れるかは別問題です。

なかにはチーフになりたくない、販売に専念したいと思っているかもしれません。チ

ーフとサブチーフとでは仕事の役割も異なり、チーフの職務に向く人もいますが、興

味を示さない人もいるはずで、会社命令ならば従うことになるでしょうが、ストレス

になり組織としても健康的ではありません。現状に満足しているチーフの昇格はミス

キャストとなり問題が潜在します。これは会社にとっても損害で、やはり、本人に直

接面談をして聞いてみるのが一番と思い、早速、二人を本社に招集しオリエンテーシ

ョンを実施しました。会社の考えを理解し人事異動を納得して新たな挑戦をして欲し

いと願ったからです。

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