1671. よもやま話と独り言(1)

第十八章 よもやま話と独り言
 
1. サントリーホールディング 米国のビーム社買収
 
日経MJ .2014.0116 から
サントリーホールディングスが米国の蒸留酒ビーム社を1兆6500億円もの巨額を投じて買収するニュースが業界誌のみならず一般紙の誌面をにぎわせている。十分な社内外の情報が不足しているが、この新聞記事だけの情報と自分の知識と経験からだが、私が社長だったら、このプロジェクトは中止にすると思う。「国際展開は巨額の投資を必要とする買収しかない」との判断だが果たしてそうだろうか。非常にリスクの高い買い物である。
三菱UFJの存亡にもかかわるこのプロジェクトに三菱が融資する理由も理解しがたい。反対の理由を3つ挙げてみた。
(1) 蒸留酒のマーケットは縮小傾向にある。ビーム社が買収に応じた理由はなんであろうか。サントリー自身の蒸留酒としての本家の面子にかけてとの意気込みは分かるが市場が先細りでは不安は隠せない。
(2) 国内のアルコール飲料市場ではサントリーは総合ではトップとは言えない。事業の優先順位はまずは国内であろう。
(3) ビーム社の経営枠組みを大幅に変えずに事業展開するとしているが、ビーム社内の人事問題が大きな問題となってサントリー本体に大きな影響を生じるかもしれない。果たして、サントリー自体に国際経営を指導してゆく人材が育っているのだろうか。いないと思う。
最近では、LIXIL,日本郵便、JTなど大企業の海外投資がことごとく失敗している。問題の原因は人材にあると思っている。果たして、日本人のマネジメントがグローバルで通用すると思っているのか、日本市場が成熟期を迎えているので、企業成長の機会を海外に求めているのだが、今のマネジメントスタイルや価値観を変えない限り外国企業をマネジメントできるはずはない。日本がバブル経済で大変な外貨のリザーブが出来、海外の不動産に投資したが全てはぎとられてしまった。同じことが現在も繰りかえし起こっているようだ。

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