1672. 米レブロン、中国市場における3つの誤算(1)

1. 米レブロン、中国市場における3つの誤算
 
日経MJ 2014.0107から
アメリカの大手化粧品メーカーレブロンが中国市場からの撤退と、1100名におよぶ人員削減の実施を明らかにした。同社の売上に占める中国市場での比率は2%に留まっているほか、市場シェアでもメイクアップ部門で1%、スキンケア部門で0.1%と低迷しており、今後の収益拡大も見込めないことから合理化策の一環として今回の撤退を決定したようだ。なお、この施策に伴い年間で約1100万ドル(約11億5000万円)のコスト削減効果を見込めることだが、撤退原因として3つの誤算が記述されていた。
 
(1) 米国市場の戦略、メーク製品に特化した製品戦略を中国に持ち込んだ。
(2) ブランドのアイコンとして国際モデルの登用したこと。
(3) 欧米メーカー色を打ち出しすぎたこと。
 
以上の情報と過去の知識と経験から上記記事についてコメントをしたいと思う。レブロンの問題はこれら3点であろうか、その他にもっと重要なマーケティング戦略上の問題があったのではないか。個人的な見解だが、一番大きな問題はレブロンブランドのポジショニングと流通戦略だと思う。ブランドポジショニングが高級化粧品なのか、コスメトイレタリーズなのか、明確な位置づけをしていない。これが主要問題だ。多分、ポジショニングを明確にせずに全方位戦略だったのではないか。レブロンと同様、たぶん撤退すべき状況にあると推測される資生堂の問題点と近似しているに思える。
レブロンの1000名以上の美容部員の削減は、数からみて百貨店の美容部員よりも一般流通の美容部員数が相当数を占めていると考えられる。百貨店と一般店の二面作戦をとっているが、優先順位はコスメトイレタリーズのようだが、ここにも間違いがあったと思わざるをえない。
コスメトイレタリーズとして位置づけるならば現地のニーズに特化したブランド戦略をとるべきで、ターゲットは一般店となり百貨店市場よりも数倍も大きい。しかし中国という大きな市場に全面戦略を展開するというのは砂に水を蒔くと同じで、大量の広告・販促費を投下しても全て吸収され花を咲かせるのは難しいといえる。流通戦略は高級化粧品として百貨店に特化した限定流通にすべきだったと思う。中国においてもレブロンは日本と同じ間違いを繰り返してしているようだ。
 

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