1673.「銀座ルノアール」ミヤマ珈琲本格展開

2014.0120 の日経MJによると、銀座ルノアールが郊外店を5年で100店に拡大するそうだ。銀座ルノアールは都心部の本業「ルノアール」がコンビニなどによって新たな競争環境が生まれているので、この打開策として郊外ではミヤマ珈琲をフランチャイズチェーン(FC)展開するとのこと。さて、このFCチェーンが成功する鍵はなんであろうか。FC展開のメリット・デメリットについて詳細に確認する必要があるが、ミヤマ珈琲チェーンの戦略にひとことコメントしたい。

全般的な感想だが、銀座ルノアール本社はフランチャイズを深く考えないでFCを実施しようと考えているように思える。FCとは、すぐれた経営の方法を持つ企業が本部(フランチャイザー)となって、加盟店(フランチャイジー)を募集し、加盟店に対して一定の地域内で経営権を与え組織化したチェーンである。FCではすべての権限を本部に集中し、現場の店舗は本部の指示に従って動くだけでよく現場の店舗は各種のマニュアルや指示書、予定表に準じて作業をするだけです。つまり、本部が頭脳で各店が手足として活動するシステムともいえる。外部からみるとレギュラーチェーンとの区別が難しいが、異なる点は本部と加盟店との間に契約関係があり、契約に基づきライセンス料としてロイヤリティを支払っていることが異なる。

全国各地には、同一のマークやイメージ、品揃えでチェーン形式で営業する店が増えている。最近ではコンビニの7&11、ローソンなどはフランチャイズチェーンで、その他に洋菓子店、ベーカリーショップなどの小売業、また、ハンバーガーショップ、牛丼店、レストランなどの外食業、さらにDPEショップや、清掃などのクリーンサービス、学習塾や住宅建築などのサービス業においても近年増加している。その店舗数は全国で約23万店になり売上高は約20兆円と大きな流通システム。以上が2014年に銀座ルノアールの記事を読んだ時の感想だったが、改めえて現状をネットで調べてみた。

2016年9月に公表されたルノアールの中期経営目標には、2020年3月期の売上高100億円を掲げ、「喫茶室ルノアール」を核としてトレンドに合致したブランド戦略を展開を考えている。最優先経営課題は、FC事業「ミヤマ珈琲」の安定的な収益体質確立とFC店舗の拡大。2016年4月にはメニューを一新。キーコーヒーが持つ地域情報やFCオーナーの情報などを活用し、全国に「ミヤマ珈琲」の存在をアピールする考えだ、とあった。これら僅かな情報しかないが、スタートして2年半の様子では計画通りにいっていないように見える。FCは収益を上げるにはリスクが少ないように見えるが、運営については外から見るほど簡単ではない。チェーンが順調の場合にはレギュラーチェーン数が大半をしめているが、徐々にフランチャイズが増える傾向にある。銀座ルノアールは、FCに走らずにまずはレギュラーチェーンで成功すべきだと思う。

なお、ファーストフード業界はフランチャイズチェーンを採用しているが、ハンバーガーの雄であるマックは異物混入問題が露呈したために、2015年度の店舗数が2,956店舗、1店当たりの売り上げは約6,400万円となったが、モスバーガーは1,370店舗で1店当たり約5,200万円と、マックに接近しつつある。

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