27. 福沢諭吉の「学問のすすめ」から、不平等はどこからくるのか

福沢諭吉は、不平等は学問の力があるかどうかによって決まる、と言います。生まれた家庭の環境によって貧富の差がでるのは、マッカーシィが提唱したマーケティングミックス論における統制不可能要因の一つだが、それを学問の有無によると断言したのが福沢諭吉です。彼の考えによれば貧富の差は「統制可能要因」になります。薪を背負って町まで売り出かける二宮金次郎像を心に留めて勉学に励むべきでしょう。
 
「学問のすすめ」岬龍一郎訳・解説 PHP出版から
才能と品格を備えるためには、まず物事の道理を知らなければならない。物事の道理を知るためには、文字や言語をまなばなければならない。だからこそ、学問をすることが急務となるのです。
人と交際するとき、顔色や顔つきが明るく、いつも生き生きしているような話し方は、一つの徳の表れであり、相手を快くさせる最大のマナーである。なぜなら、人の顔は家にたとえれば玄関のようなもので、人と広く付き合うには門戸を開き、入り口を清潔にし、客が自由に入って来られるようにしていることが大事だからである。
人間は生まれたときにはたしかに平等であるが、社会を見渡すと金持ちもいれば貧乏人もいる、賢人もいれば愚人もいる、身分の高い人も低い人もいる、このような不平等はいったいどこから生まれてくるのだろうか。と現実社会の格差を見せ、こう答えます。「それはただ、その人に学問の力があるかないかによって決まる」まことに明快な答えです。続けてこういう。諺に、「天は富貴を人に与えず、これをその人の働きに与うるものなり」とあります。

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