35.入社して1週間後の出来事

入社して分かったことは部長クラスが全員、米国の化粧品会社レブロンからの転職者で、年齢は私よりも数年シニアの人達だったことでした。つまり、年齢的には私が一番若い部長でした。入社して一週間すると、東日本の営業部長(男性)が部屋に入って来て「あなたはマーケティング部長として偉そうにしているが、それは貴方が英語ができるからだ、そのことを忘れるな!」との捨て台詞を残して出ていきました。とんでもない会社に入ったものだと正直に思いました。その営業部長はそれほど悪い人に見えません。入社して間もない人間にずいぶん辛辣なことを言う人だと思いました。なにか裏があるのか、懐疑心が起き、とんでもない会社に入社したと思いました。当然のことですが、彼とは初対面で個人的な恨みはありません。彼の失礼な言動の因果関係がまったく想像できませんでした。その場は無反応にしていましたが、しばらく様子を見ていると、どうも、社内のラインとスタッフのバランスが悪く相互がいがみ合っていることがわかりました。オフィス内ではスタッフの発言力が強く、ラインはスタッフの言う通りに仕事を強いられているようでした。
外資の場合、スタッフのほうがラインよりも強いようで、その理由はスタッフに英語ができる人間が多いことが原因です。語学力があるお陰で本社とのコミュニケーションができるからです。全て本社からの情報が、英文でスタッフを通して入ってきます。そのためにスタッフが優越感を感じて高圧的なふるまいをする人間が多いのです。ラインの人間はスタッフに語学のコンプレックスを感じているようでした。
今回の営業部長の私に対する暴言は、新参者の私に対して有利な関係を先取りするための牽制球だったと解釈しました。マーケティング部長としての最初の仕事はこのあたりの調整にあるなと感じる日々した。

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