66. 因果関係が存在しない 事例(2)

第一章 新たに仕事を始めるにあたって
月例営業会議で店別に売上の評価をしている時です。売上予算が達成できなかったカウンターのチーフが「先月は雨の日が多く、客足が伸び悩み売上が達成できませんでした」と説明がありました。しかし、これは言い訳にしか聞こえてきません。なぜならば、隣接するカウンターでは予算を達成しているからです。このチーフは「売上が悪かった」結果に対して、「天候が悪かった」ことが原因だと主張していますが、両者には因果関係がありません。
プロモーション企画が失敗したので売上があがらない。この弁解も現場からよく耳にします。これはプロモーションの企画自体が魅力ないと言って企画サイドに責任転嫁をしているにすぎません。真実は、事前に準備し実施計画を真剣に考えていなかったからで、因果関係があるかのごとく述べているにすぎません。
 この種の話はたくさんありますが、ある学説によると、体力がある学生のほうが学力があるといわれていますが、二つの間にも因果関係がないとされています。体力よりも「親の教育熱心さ」の度合いが影響しています。しかし、警察官の数が減ると犯罪者の数が増える関係、これには因果関係があります。また、逆の場合にも因果関係があります。犯罪者の数が増えると警察官の数が増えるので、因果関係が生じてきます。但し、警察官の数が増えると犯罪者の数が増える関係には因果関係がありません。相互の間に因果関係があるかどうかを識別する力を養う必要があります。

0コメント

  • 1000 / 1000