65.因果関係が存在しない、事例(1)

第一章 新たに仕事を始めるにあたって
「因果関係」でいつも思い出す諺があります。それは「風が吹けば桶屋が儲かる」です。「風が吹くと土埃がたち、それが目に入って盲人が増える。盲人は三味線を買うので、三味線に使うネコ皮が必要になり、ネコが殺されます。ネコが減ればネズミが増え、ネズミが桶をかじるので桶の需要が増え桶屋が儲かる」
「風がふく」ことと「桶屋が儲かる」の間に「因果関係」があると言っているのだが、一見、正当化した理屈のようだが屁理屈だと思います。しかし、奇妙な諺だと安易に片付けないでください。実は、私たちの周りにも同様のへりくつ話があるからです。
当人が間違っていることを棚に上げて、他に責任転嫁している人間がいます。例えば、「テレビを見すぎると頭が悪くなる」と子供のころ母親に言われた記憶がありますが、実は、両者の間に「因果関係」があることが立証されていません。母親の都合で「因果関係」があるかのように言っているだけです。真の原因は別にあるのです。また、子供が母親に周りがうるさいから勉強ができない、と言いますが、勉強ができないのは勉強する気持ちがないだけで、気持ちが集中していれば周りがうるさくても気にならないはずです。いずれも「因果関係」はありません。

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