74.自利利他

「相手の立場に立って考え、そして行動する」この「相手」を「消費者」におきかえると「B2Cマーケティング」になり、さらに、親友、同僚、先輩、家族などに置き換えてみると「ヒューマンリレーションズ・マーケティング」となります。

もし貴方が人間関係に悩んでいるとするならば、その原因は「相手」をつねに「自分」に置き換えて「自分の立場に立って考え、そして行動する」人間だからです。相手を無視するのではなく、まず「相手の立場」を優先して考えることを行動指針にすべきです。つねに自己のみを優先することを「我利我利」と言いますが、「我利我利」は短期的には利することもあるでしょうが、中長期でみれば破滅の道があるだけです。

仏語に「自利利他」がありますが、自分が悟りを得ようと修行に励み、その目的を自分の利得のみにとどめているのが自利、悟りを次に他人が利益をこうむるように他へ生かしてやるのが利他です。自らの悟りのために修行し努力することと、他の人の救済のために尽くすことで、この二つを共に完全に行うことが大乗仏教では理想としています。この神聖な仏語を転用することは恐れ多いことですが、マーケティングの真意は「自利利他」を逆に「利他自利」になるかもしれません。つまり、相手の利益になることは自分の利益となる。この転用はどうでしょうか。

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