90. 製品差別化戦略

マーケティングの「基本戦略」の一つが「製品差別化戦略」で、これは競争激化の産物にして「有意差のある特長」を備えることにより競争相手を負かす強力な戦略です。
化粧品会社は化粧品を、食品会社は食品を、医薬会社は医薬品を消費者に販売することが商売だと言えば当たり前だが、すべて同じで製品に特長が無ければ消費者はどれを買ってよいか戸惑ってしまいます。そのために自社製品を他社と差別するために、製品に名前を付け、製品の特長を前面にだして違いを強調します。これが製品差別化戦略です。
栄養クリームを例にとってみると、製品の効能は「肌に栄養を補給し、みずみずしい肌に保つ」になりますが、これだけだと他社の栄養クリームとまったく同じで違いがありません。その為に、主要成分が深層水から採ったものとか、NASAで開発された等のように製品開発の背景までさかのぼって違いを創りだします。このように化粧品を見てみますと、各社が各様に製品差別化戦略を推し進めていることがよくわかると思います。ただし、なにがなんでも差別化すれば良いというものではなく、差別化の裏付けが無ければだめで、最も重要なことは、差別したことが消費者にとってベネフィット(便宜性)があるかどうかにかかっています。また、ある家電スーパーが、うちは「最安値のリーダーだ」とチラシなどに掲載することも差別化戦略ですが、それが事実であることが証明されないと法律違反になりかねます。そして、一番大切な差別化は、ビューティアドバイザーが提供するサービスも立派な差別化になることです。
製品差別化戦略は「 Product Difference Strategy」を和訳したものですが、この訳は正しくありません。 Difference は「違い」の意味で「差別」ではないからで、元来ならば「製品特化戦略または製品差異化戦略」とでもいうべきでしょう。また、製品自体の優れていることを、USPがあるといいますが、これはユニーク・セリング・ポイント(Unique Selling Point)の頭文字で製品差別化戦略を意味します。

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