111. 購買行動は新鮮さと驚きによって

ある調査によると、百貨店で購入するお客様の過半数以上が「目的なしで来店して、結果として何かを購入して帰る客」だそうです。どうして気持ちが変わったのでしょうか。原因は店内を歩いている間になにかが起きたのです。考えられる原因が、歩行中に「VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)」に接し、新鮮で心地よい驚きになり、購買意欲が喚起させられ購買行動に走らせたに違いがありません。
 
新鮮さと言えば、生鮮食料品のように見た目からくる新鮮さもありますが、売場の活気も新鮮さをかもしだします。スーパーで「今日はいつもより活きのいい魚が入っているよ、奥さんちょっと見てごらん」「このミカンは甘くておいしいよ。ビタミンも摂れて風邪を引かないよ」こんな風に声を掛けられると、ついつい買ってしまうものですが、なぜでしょうか。それは、この掛け声に新鮮度と驚きがあるからです。「活きのいい」が製品の鮮度であり、「奥さんちょっと」の掛け声は、予想もしていなかった掛け声で、ある種の驚きです。おまけに「風邪なんて引かないよ」の一言で「心配されている」というある種の安堵感・存在感が涌き起こっているからです。
高い鮮度と言えば築地の魚河岸でしょう。魚市場は明るく喧騒の中で取引が行われています。これが逆に暗い部屋で静かで音ひとつ立たない場所だったら「お悔やみの場所」になってしまいます。寿司屋に入ると「いらっしゃい」と大声で迎えられます。なにも声をかけられなかったら「失礼しま~す」と言って早々に退散してしまうかもしれません。なぜならば店内も刺身類にも新鮮さが感じられないからです。このように、明るく「気」のある場所にいるとお客様の財布の紐もゆるくなります。ビューティアドバイザーの働く場所も全く同様です。それに気がついてください。

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