127. 競合ブランドを「ターゲッティング」

 2009年、民主党政権時代に事業仕訳が行われていましたが、コンピューター予算に関する会議で蓮舫議員が「世界一になる理由に何があるんでしょうか、2位じゃダメなんでしょうか」の発言が話題になりました。当時、国産コンピューターの技術力向上の為に国家予算を研究開発に投入する是非論が議論されていました。コンピューター市場で世界一位を狙うのか、2番手を狙うのか、つまりターゲットを一位または二位にするかの議論でした。その後のマスコミの反応を聞いていると、一位をターゲットにしなければ、二番手も難しい。だから、当然一位をターゲットにするに決まっているではないか、蓮舫議員はそんな競争の原理たるものもしらないのか、などと多少冷笑気味の反応だったように記憶しています。
しかし、本当にその批判が正しかったのかは疑問がのこります。当時、日本は何番手だったのかはわかりませんが、ターゲットを常に一位に置く必要はありません、現状に照らしてターゲットは決められるべきでなにがなんでも一番手をターゲットに設定することには問題があります。現状を把握して、ターゲットを設定すべきで、それも努力範囲(ストレッチして届く範囲)に設定すべきだからで、当初から達成不可能な目標では甚大な損失と社員のモチベーションが低下する恐れがあります。
例えば、ある市場で三位のマーケットシェアのブランドであったなら、一位のブランドをターゲットに選択すべきですが、十位のブランドであれば常識的に考えて一位をターゲットにすることは非現実的だと言われてもやむなしです。

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