149.常在戦場

世の中には「顧客志向」を標榜する企業が多くありますが、現実問題として実態が伴っているかどうかは、疑問が多く残るところです。顧客志向の企業は「顧客の立場に立って考え、そして行動する」これが行動規範だが、商売が厳しくなると、その企業姿勢がどこかにすっ飛んでしまい、困った時にこそ企業の姿勢が問われているのですが、利益、利益と連呼する企業に変貌してしまいます。
得意先のオフィスを訪問すると壁面にはいろいろなメッセージが貼られています。記念写真、人事異動、スローガンなどですが、スローガンとして一番多いのが「常在戦場」です。この四字熟語の意味は、常に戦場にあるつもりで気を引き締めろ、全社員に訓示を垂れているのですが、思わず得意先の顔を見てしまいます。私たちは実際の戦場経験がなく、死ぬか生きるかの瀬戸際に身を置いたことがありません。したがって、常在戦場は難しい言葉に違いありませんが、死ぬ気持ちになってことにあたれと言っているのです。しかし、本当に真剣に仕事に取り組んでいるのかどうかわからない人が多いのが現実です。まるで「当社は、やる気のない社員が多く申し訳ありません」と言っているかのようです。 

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