154.温故知新

「温故知新」とは「古きをあたためて、新しきを知る」ですが、ビジネス風に言い換えると、歴史を学び新しい知識を得る意味になります。つまり、過去を学ぶ、過去の悪さ加減を学び、そこから問題解決のアイデアを得ることがあります。現場から聞いた事例を紹介しましょう。
あるカウンターでは固客のリターン率が上がらない悩みがありました。どうして「伸びないのか」真剣に考えて、考えて考えた結果、自分たちの気持ちがお客様に伝わらないことに気が付きました。どうすれば気がついて頂けるのかを更に考え、良いアイデアが浮かんできました。
それは「私は、特別にもてなされている」と感じさせるアイデアでした。新製品導入やプロモーションなど大きいイベントには、本社で一様の案内をハガキに印刷し、それに住所・氏名のラベルを貼り、売り場から投函してきました。しかし、そのカウンターでは上顧客を選別し、その葉書きを郵送せずに封書に同封して郵送しました。すると、受け取ったお客様からお礼の電話が沢山あり、多くの固客がリターンされるようになりました。二度手間でしたが、封書で案内をした結果、「私だけが特別扱いにされている」そのような印象を持たれたようです。些細な手間でしたが、固客に現場の真摯な気持ちが伝わりました。これは現場の皆さんが、考えて、考えた末に浮かんだアイデアでしたが、後で聞いてみれば簡単なことです。しかし、簡単な方法だからこそ、たやすく思いつかないものです。心しておくべきです。

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