160.小売業を業態発想すると

「小売業」という言葉は業種発想で、「小売」というのは「物品を卸売商から仕入れて消費者に分けて売る」意味です。小売業はそれを生業とする業者をさします。この発想は長い間一般論として受け入れられていましたが、消費者の変化には対応できずに新たな発想が必要となり誕生したのが業態発想です。
1960年代、流通市場が業種から業態へと大きな変化が起き、いわゆる流通革命が勃発しました。それまで国内の流通を担ってきたのが、パパママストアと呼ばれる零細小売商店でしたが、セルフ方式を武器にスーパーマーケットがアメリカから上陸し、旧来の流通市場を一変させました。続いて消費者に便利性を販売するコンビニエンスストアが登場しましたが、これらは旧来の業種としての小売ではなく業態面に焦点を合わせた新しい小売の姿でした。その他にも、低価格を販売するディスカウントストア、日曜大工を販売するドゥイットユアセルフなどが出現しました。

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