172. 家族的経営

吉本興業の岡本社長は吉本と芸人はファミリー的関係にあるなどと表現しているが、この「家族的経営」についてひとこと。平成時代に入りバブルがはじけると、日本の特長であった「ファミリー(家族的)経営」も崩壊してゆきました。それまでは企業にとって社員は全員が家族同然であり、企業と社員は運命共同体だと考えられていました。そして、この日本的経営こそが日本企業の強さの原因だと高く海外では評価されていました。ここで言われる「家族」とはどのような意味か、辞書で引くと「夫婦の配偶関係や親子・兄弟などの血縁関係によって結ばれた親族関係を基礎に成立する小集団」と定義されていますが、これでは無味乾燥な説明になってしまいます。経営で使用される「家族的」とは、企業のCEOを含めた取締役などの幹部が「親」であり、一般社員が「子供」の関係になり、親としてのCEOは子供である社員を教育し成長させ幸せな人生を過ごせるように応援する立場であるべきです。また、社員は滅私奉公し企業の繁栄に貢献する立場を果たすべきです。つまり、両者は互恵的な関係にあり、いわゆる「戦略的パートナーシップ」の関係にあるはずです。宮迫らがトラブルに巻き込まれたら、どのような理由があれ、親である企業は社員を最後まで守り抜く姿勢がなくてはならないと思います。その意味からすると、吉本興業はファミリーと称しても実際はその任を果たす気持ちがなかったのではないかと思います。

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