295.バイラル・マーケティング(事例)

あるところに新車を購入したいと思っている人がいました。彼は、友人に「トヨタの車がいいと思うんだが」と打ち明けたそうです。彼は情報をいろいろ収集し研究した結果、トヨタの車がもっとも故障が少ないことを発見したからですが、ところが、彼の友人はこの決定に同意しませんでした。「僕の知り合いがトヨタの車を買ったんだけど、故障続きでどうしようもなく、さらに運転中にブレーキがきかなくなって死にかけたこともあるそうだよ」と言いました。この友人は個人的に親しい信頼のおける友人だった場合、あなたなら、どちらを信用するでしょうか。
客観的な事実だろうか、または友人からの主観的な話だが、友人を信じるでしょうか。この場合、結果は、友人の話に巻き込まれ友人に説得されてトヨタを購入しませんでした。この行動は摩訶不思議ですが、人間は必ずしも客観的な事実に基づいて行動しません。経済学で取り上げる人間は「経済人」と呼ばれ、常に客観的なデーター、統計、事実だけで判断します。したがって、「経済人」ならば必ずトヨタを購入するはずですが、現実は主観的な判断で購買を決定します。マーケティングと経済学は基本的に異なっているところです。
 

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