355.新製品開発戦略 – 計画的陳腐化政策
これは計画的に製品を古くさせ新製品の購入を促進させる手法です。まだ十分に使用できるのだが、デザインやファッション性、機能面で意図的に時代遅れにさせ購買意欲を掻き立てるやり方です。この政策は、特に、新しモノ好きの日本人に対しては効果があります。
典型的な製品として電球、蛍光灯、乾電池などがありましたが、LED電球や充電技術が進歩したことによりこの手法は消滅しました。技術的なことは詳しく分かりませんが、LED電球以前でも電球の寿命を永くしようと思ったら出来たはずですが、敢えてそれをせずに寿命期間を短くさせ、生産が継続することができるようにしたと聞いています。現在はLED電球や充電式乾電池の発売によって店頭からなくなりましたが、LED電球の需要が一巡すると売上が苦しくなってくることでしょう。
自動車業界ではモデルチェンジが頻繁に行われています。これは計画的陳腐化政策かどうかはわかりませんが、基本的機能を追加したり改良せずに、単にデザインだけを変更するのは、陳腐化政策に近いかもしれません。アパレル業界でも、毎年ニューファッションが提案されていますが、これも陳腐化政策の一環といえるかもしれません。これらの計画的陳腐化は無駄だからやめてしまえという意見もあるでしょうが、新製品発売時の広告やプロモーションの経済効果を考えると中止はできないようです。
モバイルフォンも頻繁にモデルチェンジが行われていますが、これは技術革新が物凄いスピードで進んだ結果のようです。陳腐化政策かどうかは「計画的」に実行するかどうかです。偶然、または結果として新製品が旧品にとって替わってしまったということではありません。あくまでも事前に計画準備して現行品を陳腐化させ製品のリニューアルを積極的にするのが「計画的陳腐化戦略」です。
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