379.尊敬する百貨店人
基本的に、交渉力の強弱は売上実績がベースになるが、それだけでは十分ではありません。交渉相手との信頼関係と価値観の共有がなければむずかしいでしょう。また、人間同士の好き嫌いという相性問題も左右することは間違いありません。「ビギナーズキット」の成功は、最初の交渉相手だった大丸の故宮里欣治副社長(当時は専務)の快諾が起因でしたが、その他にも交渉に関して忘れることのできない交渉相手が多々いました。その中で特に印象深く恩義に感じる方が「トキハ百貨店(大分)」の糸永雅一社長(当時は専務)です。何事も最初の経験は生涯忘れることができません。百貨店のトップの方とのアポイントが取れなかった時、先方から面談のアポイントをいただき、それが初めてのトップの方との面談になりました。糸永社長のお蔭で、九州の百貨店との交渉に自信を持って臨めることができるようになりました。
小田急百貨店の元・田村勝専務(当時は部長)は、「コスメティック・ブティック」という初めての店舗コンセプトを受け入れていただき画期的な店舗設計ができました。その後のセルフ方式の先駆けとなり、ブランドのイメージアップに貢献しました。保守的な百貨店人のなかで、先見性と革新的な考え方を持っていたお三方と面識ができたことは最上の喜びで最高の経験をさせていただきました。改めて感謝する次第です。
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