1626.事例4:酒屋

Aという酒屋と隣り合わせにBという酒屋が競いあって店を構えていました。品揃え、店舗の規模、値段、すべての面で2つの店はほぼ同じ状態でしたが、売上はB店が圧倒的に多い。どうして違いがあるのか調べてみました。Aの店にビールを1ダース注文したら、10分以内にすぐに届けてきた。Bの店に同じ注文をしても、ほぼ同じ時間で届けられた、また、値段も全く同じだったがB店のほうが商売繁盛です。その違いはなんであろうか。

実は、A店は1ダースのビールの注文があれば裏の倉庫からビールをとりだし、すぐに届けました。B店も同様に裏の倉庫から1ダースをとり配達をしたが、少しの違いがあったのです。B店は1ダース箱から3本取り出し店舗の冷蔵庫で冷えたビールに取り換えて配達しました。3本は冷えたビール、9本は倉庫からの常温のビール。Bの酒屋は、お客様の立場に立って、たぶん今日は急にお客さまが来たのだと思い「3本も冷えていれば当座飲まれるビールとしては十分であろう」と考えて入れ替えたのでした。お客様の立場にたった「おもてなし」の有無が勝敗を決めました。それはビールの注文をもらった時、心の隅でお客様の顔が浮かぶかどうかです。顧客志向というのは難しいことではなく、真に相手のことを考える、そんな気持ちがあれば自然と行動に現れるものです。

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