1627.事例5:タクシー

タクシーに乗って不愉快な思いをしたことはだれでも経験があることだと思います。ドライバーが客を客とも思わない接客の仕方には腹が立つことがあります。相手の立場に立って考えてみると、タクシーのドライバーもそれなりの理由があるのでしょうが、やはり、金を払うのは乗客で、乗客はドライバーにとっての顧客です。それなりの接客をして欲しいものです。

ある時、気持ちの良いタクシーにのりました。西麻布から青山一丁目の交差点までタクシーをひろった際の出来事です。そのタクシーは個人のタクシーではなく、法人の会社で行先を告げて目的地の手前30メートルにつくと、運転手がメーターを上げたのです。つまり、料金メーターを切ったのでした。客としては30メートルただで載せてもらったことになります。その30メートルの間にメーターが「カシャッ」と上がる可能性も無きにしも非ずで、降車する際に思わず運転手に「ありがとう」とお礼を言って支払をすませました。この出来事は、まさしく、運転手がお客の立場に立って、客に嫌な気分を味あわせたくなかったのです。支払いの際聞いてみましたら、予想通り、お客様を不愉快にさせない心くばりだったのです。これもサプライズ接客です。

またタクシーの運転手の話です。無線をとったら学校の正門の入り口に車を就けて欲しいとのこと。指定の場所でお客さまを待つと、遠くの建物から人がゆっくりと歩いてきました。歩き方もおぼつかなくヨチヨチ歩きで不安定でした。見ているとなにか患っているようでした。「お客さん、ゆっくり、ゆっくりと乗ってください、時間はたっぷりありますので」と声を掛けました。車中で話を聞くと、その小学校の校長先生で脳梗塞を患ったので身体の自由がきかなくなったそうで、タクシーの運転手からそのような思いやりのある言葉を聞くとは予想しなかったそうです。とても喜ばれました。その後はその運転手さんを指名で呼んでいるそうです。

観光地でタクシーに乗った時に感動した体験です。4人グループの旅行時で、そこはバスの便も少なく、バス料金も高かったのでタクシー移動にしました。乗車前に予定料金を聞きますと、一万円ぐらいとの事。乗車中は楽しい話題で私達を和ませてくれる感じの良い運転手さんでした。目的地までまだかなり残す所で、メーターを切って、彼のセリフです。『お客さん達が、4人で簡単に割り切れる金額にしました』料金の値引きサービスの上、更にこの気転のきく配慮。嬉しいサプライズに感動です。お陰でその旅は何年経っても楽しい思い出になりました。感謝を込めて、下車時、旅館で食べる予定だった和菓を差し上げたのとこと。

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