1687.セブン&アイ、成長へ「実験」、ネット・店舗 融合探る

日経MJ 2014.0221 

ニッセン・バーニーズ・天満屋ストアなどの買収記事が紙面を賑わしているが、通常企業のM&Aによる多角化には同心円、水平的、垂直的そしてコングロマリット多角化戦略がある。これらはリスクの少ない順に並べられているのだが、今回のセブン&アイホールディングのケースは小売業に限定して買収していることから、同心・水平的多角化戦略に見える。同社はこの戦略を「オムニチャネル戦略」だとしているが、要は多様業種・業態戦略として小売業全体を席巻する壮大な企業戦略の展開とみた。企業の売却理由を競争激化に伴う環境変化と後継者不足としているが、もしこれが事実だとすると売却される企業のトップマネジメントはなんと情けない人たちだろう。トップマネジメントとしての役割を果たしていなかったのだから、そう言われても仕方がない。そこに働く社員は今なにを思っているのだろうか。

企業が成長し業界の雄になるとブレーキをかける人材が育たなくなると言われている。そのために企業はどうしても傲慢経営に陥ってしまうのだが、これはトップマネジメントの責任である。オムニチャネル戦略を良し、としても、果たして目標の成果をあげる人材が社内にいるのだろうか、育っているのだろうか。ビジョンは魅力的だが現実の状態と乖離しているのではないか疑問である。

0コメント

  • 1000 / 1000