4.ミセス・エスティローダーのメッセージ

創始者の名前を冠にしているブランドは、創始者の独特の哲学がブランドに込められています。エスティローダーにも創始者であるミセス・エスティローダーの理念たるものが数多くあり、特に、現場で働くビューティアドバイザーに対して多くのメッセージが残されています。このメッセージは競合ブランドを取り扱う販売員にとっても参考になるメッセージだと思います。ミセス・エスティローダーのメッセージにコメントを付しました。
 
1 「 自分の中で目標を持つこと、夢を描くこと、そして、目標や夢に向かう努力を惜しんではなりません。」
仕事も私事も目標を設定することが大切でそれを達成するために努力して行かなければなりません。目標がなければ何をしてよいかわからなくなります。目標がないことは大海に羅針盤をもたないで無鉄砲に船出することと同じです。必ず事故に遭遇し目的地に到達することができません。
このメッセージは当然のことだと思いますが、毎日の仕事となると、意外にこれを理解し実行している人は少ないのが現状です。売上目標だけでなく、少なくとも数値で表した目標を3つは設定してみましょう。例えば、お声掛け、肌診断、サンキューレターなどで、普段の店頭活動を顧みるとたくさんの目標値が可能なはずです。しかし、できるならば上司から与えられる目標(売上ターゲットを含めて)ではなく、自分自身で自己目標を考えることが大切です。この際に注意することは達成可能な範囲内の目標値にすることです。努力をしても達成不可能な数値だと最初からあきらめてしまいます。少し背伸びすれば達成できる範囲、これをストレッチ目標といいますが、このような目標値を設定しましょう。
 
2 「若さだけがエネルギーになるのではない。いつまでも情熱を持ち続けることが大切です。」
誰も若さを永遠に保つことはできません。加齢と共にいわゆる若さは衰えてゆきます。この事実は残念ながら受け入れなくてはなりません。近年、アンチエージングのスキンケアに人気がありますが、肌の加齢を止めることができません。単に老化の進行速度を緩める効果があるだけです。したがって人間に寿命があるかぎり加齢問題の解決方法が見つかりません。しかし、必ずしも落胆する必要がありません。スキンケアを使用することによって健康な肌を多少は維持することができますが、それよりももっと効果のある方法があります。ミセス・エスティローダーが言うように、情熱を持ち続けること、それが若さを保つという考えかたです。次の詩はサミュエル・ウルマンの「若さとは」からです。この詩人を初めて紹介され、“納得”と感じたことを覚えています。
 
若さとは、人生のある期間のことではありません。
若さとは、心のありかたです。
若さとは、薔薇の頬や赤い唇やしなやかな肢体のことではありません。
若さとは、意志、想像を働かせること、強く感動できることです。
若さとは、深い命の泉から湧き上る溌剌さのことです。
若さとは、小心な欲望に打ち克つ勇気ある気性のことです。
 
安易さを愛するよりも冒険を愛することです。このことは、しばしば、二十歳の若者よりも六十歳の人の中にあるものです。年齢を重ねることだけによって人は老いるのではありません。人は理想を忘れることによって老いるのです。歳月によって肌には皺ができるかもしれません。しかし、ひたむきな熱意を放棄することによってこそ、魂には皺ができ魂は老いるのです。
くよくよすること、恐れること、自分を信じないことは、心を挫かせ、精神を埃まみれにしてしまいます。六十歳であろうと十六歳であろうと、どんな人の心にも、自然や人生の神秘や驚異に惹かれる心や、次に何が起こるか、子供のような尽きることのない興味や、人生というこのゲームに対する喜びが存在しています。
あなたや私の心の中心には、無線通信の設備が存在しています。はかりしれない宇宙の命とさまざまな人々から、美しいものや、希望、快活さ、勇気、力といったメッセージを受け取っている限り、あなたは若いままでいられます。こうした受信装置が壊れてしまって、魂が皮肉や冷笑の雪と悲観の氷に覆われた時、あなたは老いるのです。たとえ二十歳であっても。しかし、あなたの受信装置が生き続け、この人生を肯定的に受けとめるための情報の波長をキャッチしているならば、八十歳で死ぬときもなお若くいられることでしょう。
 
3 「お客様の美しさを引き出すのは、何よりも貴女自身です。そのためには笑顔を絶やさずに貴女自身が美しく自身に満ち溢れていることです」
貴女自身が毎日不機嫌な様子で自信なく店頭に立っていたとすると、お客様はどのような印象を持つでしょうか。お客様はエネルギーをもらうために買い物をなさるのです。だから、そんな様子のカウンターには絶対に近づきません。避けて通り過ぎてゆきます。夜のイカ漁ではありませんが、真っ暗な海に光輝く電燈をめがけてイカは集まってきます。オーラ―のある人に人はあつまります。集客力のないカウンターはオーラがでていないのです。今日は睡眠不足で調子が悪いと思っていたら、すぐにお客様は見破っています。
販売員の挑戦は、不機嫌な気持ちの状態でも態度に表さないことです。心で泣いても笑顔なのです!これが販売員として、プロとしての心構えです。
お客様に製品を愛していただくためには、まず、貴女自身が製品を愛し製品を信頼することです。それがなければお客様に気持ちが伝わりません。貴女自身の推奨がお客様の気持ちを動かします。そして、お客様に無限の美しさを与えるのは貴女の力です。このことを忘れないで欲しいと思います。全ては貴女自身の考え方、姿勢、心構えからスタートします。
 

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