30.マーケティングは実学

「相手の立場に立って考え、そして行動する」。

これは50年もの長きに渡りマーケティングの仕事をしてきて辿り着いた私的定義です。若い時には真面目にマーケティング論とは?などと少し理屈っぽく熱弁を振るっていましたが、分かりやすい私的定義に到達するまでにずいぶんと時間がかかりました。私的定義の言葉で大切なことは最後の「行動する」ことです。


誰でも考えるまではできますが、行動に移せなければ意味がありません。有言実行の精神が必要です。特に、「相手」を「従業員」とする「B2Eマーケティング」、これができて初めて「B2Cマーケティング」が理解し会得したと言えるでしょう。


マーケティングはビジネスの世界で役に立つ実学ですが、政治の世界でも立派に通用する考え方です。世界の国々が「相手の立場に立って考え、そして行動する」ことができれば、世界は平和になるはずです。しかし、実際には「相手の立場」ではなくいつも「自分の立場」に立っているのでいつも争いが絶えません。これは残念でなりません。

アメリカ大統領ドナルド・トランプが演説で使う「America First」、これはまさしく自分の国、アメリカだけの立場に立って政治をしている証拠です。政治の世界はバランス感覚が必要であることは言うまでもありません。トランプ大統領に少しだけバランス感覚があるということを表明してくれるよう期待しています。

「マーケティング」は平和な社会を作るための指導書です。多くの人に学んで欲しい学問です。

「マーケティング」は実学であり、対象がモノではなく人間です。

人間は、理性だけでは動かず、感情を持ち、少し不可解で魅力的な動物です。

その人間を対象にする学問というところが大変興味深い点です。

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