85.ドラッカーによるマーケティングの定義

ピーター・ドラッカー(Peter Drucker 1909年~2005年)は「マネジメントの父」と言われるオーストリア出身の経営学者ですが、現在でもビジネスマンの間で大変な人気です。たくさんの名著を著述されましたが、その中でマーケティングを「顧客の創造とその維持」と定義なさっています。ほかにも多くの貴重な言葉を残されていますが、私が好きな名言は「基本と原則に則っていないものは、かならず破綻する」です。この言葉を初めて聞いた時に思い出したのは、なぜか理由はわかりませんが、高校一年生の時に苦手だった幾何学の「定理・公理の証明問題」でした。多数の定理・公式のなかで有名なのが「ピタゴラスの定理」です。「直角三角形の斜辺の二乗は残りの直角を挟む二辺の二乗の和に等しい」これがピタゴラスの定理ですが、定理とは「すでに真なりと証明された一般的な命題」で、公理とは「おおやけの道理、自明の真」ですが、環境や条件が変わっても永久に不変の事実です。
ドラッカーの「基本と原則」は数学の定理と公理と同じことだと解釈すると、マーケティングにおける「基本と原則」は何か。それは「マーケティング=顧客志向」、「マーケティング=製品差別化戦略」となり、これらは説明する必要のない程の重要な考え方だということになります。
ピーター・ドラッカーには、ライオン時代に箱根の山のホテルで開催されたセミナーに参加させていただき講義を直接拝聴することができました。その時のテーマも確か、「基本と原則」の話だったと記憶しています。

0コメント

  • 1000 / 1000