93.ダイソンと貴方自身の差別化戦略
10年も前のことでしょうか、知人が「ダイソンの広告代理店」をしている方を紹介して
くれました。当時はダイソンがそれほど注目されていなく、私自身もダイソンの存在を知
りませんでした。今でも覚えていますが、製品を見てある種のショックを感じました。ダ
イソンの掃除機はスケルトンでデザインもシンプルでユニーク、さらに元来の機能である
高い吸引力を備えた掃除機だったからです。しかし、価格は確か高く国産品の3倍以上し
ていたと記憶しています。当時の国産メーカーの戦略は白物家電の製造工場を中国などに
移転しコストを下げる努力をしていました。日本の掃除機市場は技術革新から見放されあ
る種の「放置された空白市場」、その市場にダイソンは独自のデザインと機能をもった掃
除機を開発し参入したのです。それは既存市場でありながら競争相手のいない「ブルーオ
ーシャン戦略」でした。ダイソンの掃除機が爆発的な売上を上げるまでに時間はかかりま
せんでした。成功の理由は、掃除機に求められる吸引能力における製品差別化です。まさ
しくドラッカーの「基本と原則」を重視した製品差別化戦略です。
次は貴方自身を製品に見立て貴方自身の製品差別化戦略を考えてください。皆さんは貴
重な時間と労力を提供し給料を対価として受け取っています。貴方自身を売る為には「自
身の差別化戦略」が必要です。貴方自身が売れなければ失業してしまいます。しかし、自
身の差別化といっても国家試験による資格をとるなどと大上段に構えることはありません
。まずはできることからやってみてください。ビューティアドバイザーならば、誰よりも
素敵なスマイルができる、誰よりも多くのお客様を持っている、誰よりも製品知識が豊富
なども立派な製品差別化戦略です。「誰よりも」がキーワードで、一つでも多くの「誰よ
りも」を持つことで、その目標に向かって自身の競争力に磨きをかけてください。
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