97. 新製品と既存品

新製品開発はブランドの成長のために必須事項ですが、過度に新製品に頼りすぎることは非常に危険です。目安としてですが、新製品の売上が全体の50%近くになると深刻な問題となります。最近、資生堂が外部から社長を招聘し資生堂の立て直しが進行中ですが、資生堂の歴史からすると異例な人事異動です。その背景には、新製品に依存しすぎる体質が問題の一つとして取り上げられていたからです。過度の新製品の発売が悪循環となり、最終的に自分で自分の首を絞めることになりかねません。
新製品計画が多くなると、経費予算や時間配分が新製品の導入計画に費やされ、利益を生み出す既存製品のフォローがおろそかになってしまいます。もっとも新製品が大ヒットすればすべてが帳消しになるのですが、新製品が期待通りに売れないと共倒れになり企業の屋台骨をゆるがす問題となります。そのためには新製品と既存品のバランスが大切で理想的には新製品の売上げは全体の20~25%が適度かと思いますが、この割合が適切だとしても、製品ラインは4年~5年で全て入れ替わる計算になります。
新製品の成功の確率は、数年、数億円かけても成功するのは1/10と言われています。10の内9つの新製品は失敗に終わっているのが現状です。少なくとも野球ではありませんが、「三割バッター」になることが目標です。

みなさんの企業はいかがですか。失敗、成功の基準などによって違いがありますが、一般的に言えば、発売から5年後に利益が見込める製品は成功だと考えてみるとよいでしょう。いずれにしても1~2年で撤退してしまう製品が多くあるのが現状です。
日本銀行のように一見失敗しない組織であっても失敗はあります。2000円札がその例です。国民のニーズやウオンツを収集して日銀は開発したのでしょうか?

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