119. 売れない製品もそれなりの役割がある

「パレートの法則」を初めて聞いたとき、まさか!と思い、早速データーを調べて確認したことがありますが、驚くことに「20:80」ではなかったが「30:70」で、まさしく法則通りであったことを記憶しています。このように「パレートの法則」は素晴らしい発見ですが注意しておくことがあります。売上では出来の悪い製品も別の存在理由があるので、安易な判断で削除してはいけません。
口紅を例にとってみます。ある企業が50色の口紅を販売しているとします。色別の売上分析をみると、売上でトップ20%にあたる10色が全体の売上の約80%を占めていることがわかり、まさしく「パレートの法則」が働いていました。この法則に従って80%にあたる40色をカットし売れ筋だけの10色だけにして効率を高めました。この意思決定は効率が良いように見えますが、口紅のような製品には問題があります。法則に基づくと、理論的にはカットしてもよさそうですが、口紅の場合には品数を少なくすると全体の売り上げが激減してしまいます。なぜならば、40色の売上は小さいが、小さいなりに別の役割を負っているからです。売れ筋の色を引き立てる役割や全体のボリューム感を出すVMDの一端を担っているからで、全体を見ながら効率を考えないと予想外の結果になってしまいます。 

0コメント

  • 1000 / 1000