120.上位20%を選択し集中する

もうひとつ「パレートの法則」の問題点をあげましょう。「パレートの法則」によって現状を把握したら、次の問題は上位20%か、または残りの80%のどちらに改善のメスをいれるかになります。ドラッカーが提言する「選択と集中」を戦略とするならば、上位の20%の製品に企業資源の人・物・金を集中すれば最大の利益を得ることができます。
全ての取扱製品が均等に売れている企業はありません。品揃いをどのようにするかは、どの企業も多かれ少なかれ直面している問題で、売れ筋を残し、売上げが厳しい製品は改善したり廃版にしたり、製品ラインを常に見直しているのが現状です。
「パレートの法則」に従って、売上上位20%の製品だけを継続し、残りの80%を販売中止したらどうなるでしょうか。確かに、効率は上がり、利益も短期的には増加しますが、しばらくすると新たな問題が生じてきます。継続された20%の製品の中にも、再度、「パレートの法則」が働きだすことです。「パレートの法則」を繰り返してゆくとどうなるでしょうか。最終的には生き残る製品はひとつになり、これでは競争には勝てず生き残っていけません。皮肉なことに、逆に効率が悪くなってしまいます。「パレートの法則」の長所・短所を考慮してバランスある品揃え戦略をたてなければなりません。

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