211.自己啓発セミナー(多田謙一先生)

私がエスティローダーに入社した当時は数年、赤字経営が続いていました。業績が好調ならば現状の経営手法でも容認されるのですが、もはや待ったなしの状態で「改善さもなくば撤退か」の決断を迫られていました。ニューヨーク本社からの要望は、ともかく損益ゼロにしてほしいというものでした。私が黒字改善のために第一に取り組んだ課題は社内の意識改革でした。自浄効果が望めないので、そこで、外部の専門コンサルタント会社に応援をもとめ、まずは幹部を対象に「ブレーン・ウオッシング」が急務と判断しました。その難しい仕事を引き受けていただいたのが、経営コンサルタントの多田謙一先生による自己啓発セミナー(エム・エィ・セミナー)でした。それから20年以上もの長い間のお付き合いが始まり、最終的には入社3年以上のビューティアドバイザー全員に受講してもらいました。もし「ブランド・スピリット」と言われるものがあれば、それはこのセミナーで醸成されたといっていいでしょう。セミナーを通して修得した多くの中で、印象度の強かったのが、この「当事者意識をもって仕事をする」というメッセージでした。「当事者意識」を耳にしたのはこのセミナーが初めてで、最初は難しく感じましたが、2泊3日の合宿形式セミナーで徐々に理解することができるようになりました。エスティローダーの成功はまさしく「全員が当事者意識を理解し前向きに仕事をした」これにつきるでしょう。

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