293.使用中のブランド推奨

顧客の中には、愛用するブランドを友人に推奨するのを嫌がる人がいます。これらの人は少し独占欲が強く「自分だけのブランド(exclusive brand)」にしたい人かもしれませんが、その点では化粧品も比較的推奨されにくいカテゴリーかもしれません。したがって、愛用の化粧品を女性に尋ねるのは年齢を聞くのと同じだと言う人がいるので要注意です。
 
ニールセン社は世界的に有名な調査会社ですが、2012年4月にニールセンが「広告の信頼度調査」を発表しました。それによると世界の消費者の92%は、広告よりも友人や家族の推奨を信頼するそうです。二番目に高いのは、消費者評価で、その割合は実に70%に達し、両者とも毎年増加傾向にあるとのことです。信頼する友人からの推奨は日本だけでなく世界の国々でも同様でマーケティングの成功は「信頼の獲得・確立」にあります。
口コミを計画的にマーケティング活動に取り入れたのが「アンバサダー・マーケティング」と呼ばれ、「アンバサダー」の意味は代表大使ですが、自社の代表大使の役割を演じてくれる顧客を育成するマーケティング手法という意味です。
アンバサダー達は、近年、普及が目覚ましいツイッターやフェースブックなどのソーシャルメディアに自社の製品やサービスを紹介してくれたり、時には世間からの批判から守ってくれます。アンバサダーは、ある種の熱狂的なブランドファンでもあり、まさしくオピニオンリーダーです。注意すべきは、アンバサダーは金銭の報酬が欲しいからではなく、自分が体験した幸せ感を他人にも伝えたい、そして他人のトラブルを助けたいという真摯な気持ちから紹介していることです。求める唯一の報酬は他人の役に立っているという実感で、それを大切にします。

0コメント

  • 1000 / 1000