329.スポーツにおける権限委譲
以前は野球が国民のスポーツとして人気でしたが、最近はサッカーが物凄い勢いで首位の座を狙っています。野球とサッカーは権限委譲の面で相反するシステムをもっていると言われます。野球は9人の選手が点取りを競うゲームですが、その戦略・戦術は誰が作戦を練っているかというと、それは監督だそうです。攻撃の際にも打者はいちいち監督に指示を仰いでいます。野球はすべての作戦がベンチ内の監督自身から発信され監督がベンチ内でなにもせずに全て選手に任せていることはありえません。したがって、ゲームに負けた場合の責任者は選手ではなく監督にあるのです。それに反して、サッカーは試合が始まると監督の指示を基本的に仰ぐことができません。無視するというよりもあの広いサッカー場では不可能です。もちろん、監督が声を荒げて指示することもありますが、選手にとって、ボールを誰にパスするのか、ゴールに向けてキックするのかは選手自身で決めなくてはなりません。監督の指示を仰ぐよりも、選手自身の判断でプレーしなくてはなりません、それゆえサッカーは権限委譲のスポーツ、野球は独裁型スポーツと呼べるでしょう。
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