339.ガラパゴス化

世の中、なにごとも行き過ぎると弊害が生じるもので、製品差別化戦略が過熱しすぎた結果が「ガラパゴス化」の問題です。この言葉は赤道直下に位置するガラパゴス諸島から名づけられていますが、ガラパゴス島に生息する動物たちは、長い間、外敵が侵入してこなかったので進化せず大昔のままの状態で生き続けてきました。その結果、ガラパゴス島の動物は
地球の進化からとり残され、免疫力が無く競争力を喪失した結果絶滅の恐れがあります。この状態をビジネスに転用して「日本製の携帯電話はガラパゴス化している」などと使われています。日本列島では生き残ることができるが、世界市場に出ると競争力がなく市場シェアをとることができていないからです。世界市場のトップ3は、韓国のサムスン、中国のファーウェイ、そして米国のアップル、これらトップ三社で60%のシェアを占めています。日本のメーヵーは上位に全く食い込めないでいます。
 
国産の携帯電話は消費者の痒いところまで手が届くほど細部にわたって製品差別化戦略がなされた結果、本来の携帯電話に不必要な機能や世界標準以上の機能がたくさん付加され、そのためにコストが高くなり、世界市場では競争力を喪失してしまいました。これが「ガラパゴス化」してしまった原因です。携帯電話なのか、カメラなのか、オーディオなのかわからなくなってしまいました。もはや「モバイルフォン」ではなく、勝手にネーミングをさせてもらえれば「パーソナルパートナー(分身)」と名称を変更すべきかもしれません。

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