589.雑誌広告(7)

マス・マーケティングの経験を経て、エスティローダーに転職した際、最初の戸惑いは、雑誌広告のポジションの問題でした。マス・マーケティングではテレビ広告が中心で雑誌広告はテレビを補完するメディでしたので、ポジションのこだわりは全くありませんでした。しかし、高級化粧品のマーケティングでは、雑誌のポジションを重要視します。なんがなんでも表紙に近いポジションを確保することが至上命令でした。広告代理店からは中綴じのポジションが読者の目に留まり易いと提案がありましたが、本社の指示は、なにがなんでも表紙に近いほうでした。広告予算がたくさんあれば交渉も可能ですが、広告予算が少なくてもベストのポジションを確保せよと無茶苦茶な指令です。更に難しいのはこちらが求めるポジションには既に他のメーカーの広告が出稿されていることで、それを除かなければ自社の広告が入りません。

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